「面接だけでは、知りたい事の半分も分かりませんよ」(某電子機器メーカー人事課長:談)
熟練した面接官ほど、応募書類や面接のインパクトだけに頼らない傾向があります。なぜかといえば、実際に多くの失敗を重ねているからです。そこで活力のある優秀な人材を見逃さないために、さまざまな裏ワザともいうべき選考基準が存在します。
さて、WEBでの応募が可能になり、とてもお手軽にエントリーができるようになりました。実際に応募件数も増えたわけですが、応募が機械的なら受け取り側も機械的な作業に終始しがちです。
そんななか、メールボックスを開いたとき、ごく稀に目を惹かれる「件名」が踊っています。「面接、ありがとうございました」というものです。大抵は「過日はお忙しいなか云々」といった定型文句しか書いていないのですが、それでも貰った方は嬉しいものです。さらに一歩抜き出てたのが「会社のどこに興味を持った」、「こういうことがしてみたいというイメージを持った」など、自分の言葉で意欲を綴ったものがあります。
これをどうするかといえば、印刷して個人書類に添付して、上司などに回覧します。さらにひと工夫して付箋などを付けておきます。つまり、もしなにかあった場合、「この人に声を掛けてみよう」という候補にするのです。実際これが取っ掛かりとなり採用が決まった事例は少なくありません。
「こういうことはなかなか出来ない。例えば面接に落ちたあとでも、こういう文章が書ける人は、間違いなく光るものをたくさん持ってる。これを見逃す手はないよ」
ある中堅器械商社の人事課長は、最終判断を下す前に、もう一度このような候補者に会う事があるといいます。今度は喫茶店などで気軽に話し、最後には本来の採用予定者を退けて採用したそうです。スキルはいまひとつだったようですが、朗らかな人柄が職場にも受け入れられ、半年後には職場全体の対応能力が一気に向上したというのです。
たった一通のメールですが、出逢いのキッカケには充分だと思います。
応募者の多くが「選考や結果に対する問い合わせ」に関して不安を持っています。「人事や面接官に迷惑になり、選考にも悪影響が出るのでは?」というものです。
ある人事交流会の席で、若手人事担当者が、「こういう問い合わせって困りますよね」と言うと、大多数の人事担当者は...
( 内容の続き )
■「問い合わせ」の是非
・「問い合わせ」への面接官の認識
■内定がカチ合ったときの対処法
・内定がカチ合った場合にまずやるべきこと
■反省は一番最後に……
・大切なのは、次の面接に挑む勇気